まよいねこ、でひゃあっ!
いつもの研究室。
オブちゃんが何かの音に気付いた。
「あれ〜?何か鳴き声きこえませんか〜?」
エキスちゃんが扉を開ける。
「こっち!右の廊下の奥から聞こえるよ!」
みんなで廊下を歩いていく。
「…こっちです。急ぎましょう。」
データちゃんが先頭を早足で歩く。
「ちょっとデータちゃん、猫の声だからってテンション上げすぎだよ!」
「…私はテンションが上がっても髪の色変わりませんから」
「歩く速度上がってるじゃん!」
「…ちょっといつもの2割増で歩いているだけです」
「それをテンション上がってるって言うんだよ!」
「…私は至って冷静です」
そうこうしていると一匹の白猫が歩いてきた。
<にゃ〜>
「…か…可愛い猫さんですね…」
ラボちゃんの眼鏡が光で反射した。
「ミルク飲むかしら〜。ちょっと持ってきますね〜」
オブちゃんは部屋に戻っていった。
「…どこからきたんですか?」
<にゃー>
「…にゃーじゃわかりません」
<にゃー>
「…まあ、いいでしょう」
データちゃんが猫の頭を撫でた。
顔がほころんでいる。
一方それを見たエキスちゃん。
髪に金髪が混じり始めている。
「ちょっと、データちゃん、ニヤけすぎじゃない!?」
「…なぁっ!」
データちゃんの声が裏返った。
「…ニヤけていません」
「声裏返ってたじゃん!ねえ、ラボ姉!」
「…た…確かに…声は裏返ってました……」
「…あれはただの猫語の発声練習です」
「どう見ても動揺してたじゃん!」
「…にゃー」
「ごまかした!」
そこへオブちゃんがミルクを持って戻ってきた。
「飲んでくれるといいんですけど〜」
猫の前にミルクを入れたお皿が置かれた。
ピチャピチャ音を立てながら猫がミルクを飲んでいる。
「可愛いですね〜♡」
「データちゃんもなんか言いなよ!」
「…ボロがでるのでやめました」
「…でも…データちゃん…嬉しそうです……」
「ニヤニヤがー♪止まらないー!♫」
「…エキス、歌にしないでください」
「ニャーニャーが止まらないー♫」
「…韻を踏まないでください」
猫がミルクを飲み終えたとともに、エキスちゃんの髪が金髪になっていた。
「猫って何して遊ぶのかな!?走ればいいのかな?」
「…それは犬です」
「そうです〜。アールさん、お願いです〜、遊んであげてもらませんか〜?」
「そうだね!アールちゃんマジでお願い!」
「しょ、承認!?」
アール所長がよくわからないまま承認をした。
<にゃー、にゃっ!>
アール所長がボール代わりに転がっている。
「……承認?非承認?」
アール所長はボールになって遊んであげていた。
しばらくすると所長がぷかぷか浮かぶ。
<にゃ>
ジャンプで乗った。
猫はふわふわ浮いているのが楽しそうだ。
「…なんか…バランスを…とっていますね…」
「あれ楽しそう!いいなあ!」
「…エキスはいつもあんな感じのことを外でやっているじゃないですか」
「だって小さくなるのも楽しいっしょ!」
「エキスさん、じゃあ今度小さくなるの作ってくださいね〜」
「…小さくしすぎると猫に食べられます」
「…ちょ…ちょっと…それは…笑えないです………」
「…あっ、落ちそうです」
アール所長の上から足をすべらせた。
猫は大きくジャンプした。
<にゃー>
猫はラボちゃんの腕の中に下りてきた。
「…ひゃ…目線が…。見られてます……」
【ブオオオオーーーー】
ラボちゃんの冷却ファンが回った。
「ラボ姉、マジで猫に照れてんじゃん!」
「ラボさん、恥ずかしがらずに遊んであげてください〜♡」
「…えっ…えっ…ひゃあ……」
【ぶお】
<にゃー>
「…いいなあ」
「データさん、本音でてますよ〜♡」
「…い、いえ何も言ってません。このデータはいいなあ、と言ったんです」
「じゃあ、今度データちゃんの声記録するわー!」
「…そんなことをすると今度エキスの失敗実験集を出版しますよ」
「そ、それは、マジで困る!」
<ふわ〜>
猫が大きなあくびをした。
ラボちゃんの腕の中で丸くなっている。
「ラボ姉あったかいのかな、ブオオしてたし!」
「…え…え…えーと……」
【ブオー】
「寝ちゃいましたか〜?」
「…寝ていますね」
「ラボ姉、あったかいんじゃない!?」
【ぶお ぶお ぶお】
「…ラボ、そんなブオ出せるんですか、初めて見ました」
「…なんか……どうしたらいいのかな…って思ったら……」
「なんか優しいブオですね〜♡」
猫は丸くなってすやすや寝てしまっている。
「…可愛いですね」
データちゃんは猫を少し撫でている。
顔が少しほころんだ。
「起きたらまた遊んであげましょうね〜」
「…今度はもう…猫に慣れた…はずです…」
「アールちゃん!また遊んであげてください!よろしくおなしゃす!」
ここぞとばかりにエキスちゃんが大きな礼をしていた。
「しょ、承認……」