独り言、でひゃあっ!
ラボちゃんが研究室で本を読んでいる。
本のタイトルは「動物の飼い方」と書かれている。
「ラボさん、なによんでるんですか〜?」
オブちゃんが本のタイトルを確かめている。
「…なるほど…ふむふむ…」
どうやらラボちゃんに声は届いていない様子だ。
「集中しちゃって聞こえてないですね〜」
そこへエキスちゃん、データちゃんもやってきた。
アール所長もぷかぷか浮いている。
「なに読んでんの!?今日は動物の飼い方かー!この前猫抱えたもんねー」
エキスちゃんがいつものように笑っている。
「…本当に動物の飼い方なのでしょうか?」
データちゃんが真剣な表情をしている。
「どういうことですか〜?」
「…ラボが見ているのは動物じゃなくて私たちを飼うことかもしれません」
「またまたー!『動物の飼い方』ってかいてあるじゃん」
「…でもその中に私たちを飼うということが混じっている可能性があります」
「そうですね〜、確かにラボさんは一番お姉さんですし〜」
オブちゃんは顎に親指を当てて斜めを見ている。
アール所長もぷかぷか浮きながら
「確認推奨。続行。」
——三人が考えを巡らせていると
「…餌を…あげる…」
ラボちゃんが小さい声で呟いた。
「餌だって!」
「…確かに普段の生活の大半のお金はラボからでていますね」
「昨日もパーツ代くれたよ!」
「…エキスはいい加減それやめたらどうですか」
「だって研究費なら、って言ってたし」
「…そういうって壊しているじゃないですか」
「でもね、オブ姉のテストで壊れてくるものもあるんだよ!」
「…オブ、もう少し丁寧に扱いませんか?」
「説明書通りやっているんですけど〜」
「…オブは力の入り具合が違うんです、気をつけてください」
データちゃんがため息を漏らした。
「…遊ばせる…か…」
ラボちゃんがちょっと真剣な表情になっている。
「…エキスは遊んでるか筋トレさせられてるか」
「私悪くないよ、筋トレはアールちゃんだし」
「なんでワシなんだ!研究所をおかしくするからだろう!」
アール所長が急にマッチョの姿で現れた。
「そうは言ってもねー!脳筋すぎるんだよねー!」
「何を言う!筋肉は基本だぞ!」
「だって、ラボ姉とデータちゃんいつも予定通りできないじゃん!」
「みんなで一緒でやることに意味があるのだ。」
「それなら回数を変えようよ!あたしは多めとかさ!」
エキスちゃんの髪色に金色が混ざり始めた。
「…はぁ、脳筋たちが何を騒いでいるのですか」
「データちゃんは現状のままでいいの!?」
「…諦めることも大事なことです」
「何か悟っちゃいました〜♡」
「アールちゃん、ちょっとここまでにしよう!データちゃんから何が飛び出してくるかわかんないよ!」
「そうだな、一時休戦だ!」
アール所長の筋肉論に一旦の終止符が打たれた。
「…休ませる…んー?……」
ラボちゃんが眼鏡をクイッと上げた。
「…オブは大体休んでるかお茶してるか」
「休憩はいいんですよ〜、それがあるからはかどるんですよ〜♡」
「…はかどるのは仕事ですか?破壊ですか?」
「ご想像におまかせします〜。ウフフフ〜…」
「データちゃん、アールちゃん、あれ破壊の顔だよ!やばいよ!」
「これ以上は触れてはいかん!ストップだ!」
またもや終止符が打たれた。
「…なでる…」
ラボちゃんが顔を傾けた。
「ラボ姉なでてくれるの!?」
「して欲しいです〜♡」
「…はやくしてほしいです」
「…ひゃあ…なんでみんな…いるんですか…」
ラボちゃんがびっくりしている。
「なでるって言ってたじゃん!」
「…え…聞かれてた…?…」
【ブオオオオーーーー】
冷却ファンが回った。
「じゃあラボさん、みんな撫でてください〜♡」
「…えっ…ひゃ…」
「…早くしてください」
「…じゃあ…順番に…」
ラボちゃんが妹たちを一人ずつ撫でている。
「うふふ〜♡」
オブちゃんは両手を頬に当てて微笑んでいる。
「やったー!」
エキスちゃんは研究室内を飛び跳ねる。
髪が金髪になっている。
「…ふふ」
データちゃんは口角が上がった。
「…ひゃあ…喜んでくれて…よかった…です…」
「でさー!ラボ姉はマジであたしたちを飼うの!?」
「ずっと飼う話をしてたんですよ〜♡」
「…何のはなしですか?…また動物が迷い込んだとき用の対策を…と思って読んでいたのですが…」
「データちゃん!」
「…い、いいじゃないですか、撫でてもらえたんですから」
【ブオ】