お天気、でひゃあっ!
「雨がひどいですね〜。」
オブちゃんは花柄の傘を差している。
「いやー本当にひどいねー!」
エキスちゃんはレインコート。
だけど、ここは研究所の中。
「エキスー!何をやったんだー!」
アール所長が大きな声で走ってきた。
「いやー、雨雲くんをつくってたらぶちまけちゃってー!」
「…おかげで研究室が水浸しです。」
データちゃんは傘を差しながらあたりを見回す。
「…どうにか…ならないのですか……?」
ラボちゃんの傘がうつむいている。
「そうだ、これで!」
エキスちゃんがコントローラーを操作している。
<ゴロゴロゴロ>
雷の大きな音が響いた。
「ひゃあっ!」
「じゃあ、これはどうかな?」
雷が止まって小さな雹(ひょう)が降ってきた。
「ひゃあ」
「ラボ姉、ひゃあじゃなくて雹だよ」
「…ラボ、くねくねした芋虫は?」
「ひゃくとりむし」
「ラボ姉、斑点模様の猫科の動物は!?」
「ひゃう」
「ラボ、横隔膜の痙攣はなんだ?」
「ひゃっくり」
「ラボさん、水滸伝にでてきた連環馬の〜…?」
「こえんひゃく」
「…それは流石に水滸伝ファンに怒られます。」
「ラボ姉、全部ひゃあになっちゃたね!ハハッ!」
エキスちゃんの髪が明るくなってきていた。
「…エキス、いいから直してください。このままだとこの中で筋トレです」
「雹のなかでも大丈夫っしょ!?」
「…完全に大丈夫なのはラボだけです。」
「筋トレしたいのか!雹の中でもやるか!すべらないように体幹を鍛えるんだ!」
アール所長は今日の筋肉チェックをしている。
「ほら、すべると楽しいよ、データちゃん!」
「…そんなことしてると転びますよ。」
「大丈夫だって!」
その時エキスちゃんが大きく転んだ。
「痛ったー!」
「…ほら、言わんこっちゃない。」
エキスちゃんの髪が金髪になった。
「あ、そうだ!実験室に雲集めればいいんだ!さすがあたし!!」
「それなら濡れるのはそこだけですね〜」
エキスちゃんがコントローラーで雨雲を実験室に移動させた。
「うん!とりあえず、これならマジで大丈夫そう!」
「…あとはどうするかですね。」
「…あの…実験室の温度を…下げたらどうですか?…雪になるのでは……」
「ラボ姉いいこと言うじゃん!」
【ブオ】
ラボちゃんが袖で顔を隠している。
実験室の雨がだんだんと雪へと変わっていく。
しばらくすると雪が積もっていった。
「みんな雪だるまをつくりませんか〜?♡」
「いいじゃん!マジでいい考え!」
「…所長、なんでいち早くマッチョを作ろうとしているんですか?」
「いや、この季節に雪は降らんぞ!楽しむのは今しかないぞ!」
「…ひゃ…冷たいです」
それぞれが自分で何かを作っている。
「データちゃん、なんで狐の尻尾なの?マジウケるんだけど!!」
「たまちゃんですね〜♡」
「も、もふもふさんの尻尾は、白ですから。」
データちゃんは視線を外している。
「…それはそうと、オブ。デスっちで雪を均すのやめませんか?」
「デスっちも遊びたいかと思って〜♡」
「…デスっちの気持ちってわかるのでしょうか。」
「たまに話しかけてきますよ〜♡」
「…新しい研究材料が見つかりました。」
さて、こちらはエキスちゃん。
「あとは眼鏡つければっと。ほら、じゃじゃーん!!!」
「…ずいぶんとリアルなラボですね。」
「どうだ!すごいだろう!今回はマジで力入れちゃったもんねー!!」
エキスちゃんが偉そうに腕を組んでいる。
髪がピンクメッシュになっている。
「ひゃあ・・・」
【ブオオオオーーーー!】
「…寒くても冷却装置動いていますね。」
「こればかりはなんか違うのかもね!ハハッ!!」
「ラボさん、後ろ通りますよ〜♡」
そこにはまだ雪を均しているオブちゃんの姿があった。
「おい、エキス!実験室はいいが廊下が水浸しだ。筋トレの代わりに雑巾がけだ!」
「えー、せっかくマジ似てるラボ姉作ったのになあ!!」
「ひゃあ・・・」
「体幹に効くぞ!みんなで雑巾掛けにいくぞ!」
そう言っていち早く雑巾がけを始めたアール所長。
いち早く盛大に転んでいた。
「アールちゃん、めっちゃ転んでるじゃん!マジウケるんだけど!!」