もふもふ再び、でひゃあっ!


ここは妖狐のたまちゃんが居着いている祠。

【ドンッ!】

「何事じゃ!」
たまちゃんが扉を開けると矢文が刺さっている。

「なんじゃ、これはきっとエキスじゃな。あやつは花栄か。どれどれ、いつでも来ていいとかいてあるのう。
そうじゃ、復活も兼ねて妖力でもつかってみるかの。」
たまちゃんが煙のようになって消えていた。

「妖力も大丈夫なようじゃ。当時とあまり変わりはないのう。」
たまちゃんが自分のを手を動かしている。

「さて、このあたりかのう……。おお、これじゃ、アール研究所じゃ。
しかしまあ、結構大きな研究所じゃのう。東京ドームくらいあるかもしれんのう。」

たまちゃんがインターホンを押した。

【ぴんぽーん】

「らーぼーちゃーん、あーそーぼー!なのじゃ。」
「はーあーいー!」
「なんじゃ、やたらと元気じゃの。」

こっちはインターホンに出たエキスちゃん。
「ほら、ラボ姉、呼ばれてるよ!」

「…みんなで…お迎えに…いきましょう…。」
ラボちゃんはちょっとだけ急いでいるように見える。

「承認承認!」
アール所長は急かしているのか早いスピードでくるくる回っている。

「ってか、さっき祠に矢を放ってきたばっかだよ!なんでもういるの!?」
「…エキスちゃん、なんで…那須与一みたいな…。」
「えー、果たし状みたいでおもしろいかなって!」
エキスちゃんはケラケラ笑っていた。

玄関に4姉妹とアール所長が出迎えている。

「たまさん、どうぞ上がって上がって。お茶でもどうですか〜?好きなお茶あったら出しますよ〜。」
オブちゃんがたまちゃんを見て微笑んでいる。

「そうじゃのう、狭山茶がいいのう。」
「はい、どうぞ〜♡」
「十万石まんじゅうもあるといいのう。」
「はい、どうぞ〜♡」
「なんじゃと!人間がいないのに十万石まんじゅうはあるのかの!?埼玉銘菓じゃぞ!」
「…埼玉銘菓なのですか。さすが人間時代を知っている、もふもふさんですね。」
「データ、なんでお主だけ、わらわを『もふもふさん』と呼ぶのじゃ!」
「…そ、そりゃ、も、もふもふ、だからです。」
「もふもふが可愛いんだってさ!!」
エキスちゃんがニヤニヤ笑っている。

「そうなのかデータよ…憂いやつじゃのう。」
たまちゃんに言われたデータちゃんはうつむいて持っているコンソールを見続けている。

「…ん?この…白いのは…たまちゃんの…抜け毛…?」
「そうなのじゃ、どうしても少しは抜けてしまうのじゃ。白いから目立ってしまってのう。」
「あとで掃除しておきますね〜。」
「そういえば草加せんべいもあったりするのかの?」
「…草加せんべいも…残っています……。」
「どうなっているのじゃ!埼玉銘菓生存力強すぎじゃろうて。」
たまちゃんの目が大きくなる。

「埼玉銘菓現存。」
アール所長がたまちゃんの回りを浮遊していた。

「そういえばラボよ、お主この前、あんまりもふもふしてなかったの。」
「…いえ…妹たちが…たくさん触っていたので…」
「ほれ今日は特別じゃ。」
たまちゃんが尻尾でラボちゃんをもふもふし始めている。

「…ひゃあ…。」

「…もふもふさん…ずるいです。」
「データちゃんが拗ねたよ!」
「なんじゃデータもしてほしいのか。」
「…そ、そんなことは…し、してほしいです。」
「なんじゃデータ、正直に言えばよかろう…ん?」
たまちゃんが尻尾をラボちゃんから離そうとしている。

「なんかラボに絡まったのじゃが。」

エキスちゃんが絡まったところを見ている。
「これ、冷却装置にはさまってるよ!」
「ひゃあっ…」
「これはラボ姉、ブオオオしないととれないんじゃないかな!?」
「…そ、そういわれても…」

【ブオ】
ちょっとだけラボちゃんの冷却装置が回った。

「ラボ姉、もうちょっと出力強くできない?」
「…今だと…これが…限界で…。」
「…もふもふさんにラボを口説かせましょう。」
「それいいですね〜♡」
「ほらたまちゃん、早く早く!」
「なんじゃ、忙しいのう。わらわがラボを口説くのじゃと?誰かを口説くのも久しぶりじゃのう。」
たまちゃんが急に色っぽい雰囲気になった。

「承認!承認じゃあ!この大腿筋!」
「アールさん、いいところで出てこないでください〜。」
オブちゃんがアール所長をはじっこに追いやっている。
「横隔膜は呼吸筋!」

そして、いい雰囲気の2人。
「ラボよ。よく見るとお主、可愛いのう。お主が人間だったら取り憑きたいところじゃ。
そのすべすべの白い頬を触って良いかのう?」
「ひゃあっ…。」

そっとたまちゃんがラボちゃんの頬に手を当てた。

【ブオオオオーーーー!】

「抜けました〜♡」
「よかったねー!」
「…もふもふさん、次は私の番です。」
「なんじゃ、データが触りたいだけじゃろう…。」

そしてみんなでまたもふもふをひとしきり堪能した後。
「あー、たまちゃんいいなあ!」
「なにがじゃ?」
「ラボ姉の顔触ったじゃん。」
「すべすべじゃったぞ。」

【ブオオーー】

登場人物
ラボちゃん
主人公・先輩アンドロイド
内気でお世話好きな眼鏡っ娘。照れると冷却ファンが回る。
オブちゃん
おっとり癒し系
ゆったりした観察者。デスっちという巨大ハンマーを持つ。
エキスちゃん
スーパーエンジニア
ハイテンションなトラブルメーカー。道具は自分で作って壊す。
データちゃん
クールツッコミ担当
冷静沈着な分析屋。「…非効率です」が口癖。
アール所長
マスコット所長ロボット
球体の浮遊ロボット。ピンチ時に渋いおっさん声になる。
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