妖狐のもふもふ、でひゃあっ!
「今日は近くの神社で朝市やっているみたいですよ〜。」
オブちゃんがチラシを見ている。
「へー!朝市ってなにやってるの!?」
エキスちゃんは細かいパーツを覗いている。
ラボちゃんはココアを飲んでいる。
「…野菜とか…たいやきとか、お祭りみたいな…感じです…。」
「…では、行くことにしましょう。」
データちゃんが準備を始めている。
「承認。」
アール所長がぷかぷかと空中を浮いていた。
「結構人いるんだねー!」
「渡しはたいやき買ってきますね〜♡」
「…私はジュース買ってきます。」
「…たまに古本も…でているんですよ…今日は無さそうですけど…。」
「なーんだ、語彙力ないラボ姉見れないのかー!」
「ひゃっ」
2人が戻ってきて神社を歩いていると祠のようなものを見つけた。
「ん!?なんかあそこに祠みたいなのない?」
「…なんか割と人の手が入っているように見えます。」
「…遇洪而開(こうにあいてひらく)……とか…書いてない…ですよね…?」
「ラボさん心配しすぎですよ〜。」
「…108つの魔星が飛び出すと思えません。」
「大丈夫そうだからはいってみようよ!」
「…なんかこわいです…。」
エキスちゃんはウキウキしながら、ラボちゃんは恐る恐る祠に入っていった。
「なんだ!普通の祠じゃん!」
「なんだとは何じゃ!」
「ひゃあっ!」
「うわっ!!誰かいた!」
着物を着ている。獣の耳、九尾の尻尾が生えている。
「…あなたは誰ですか?」
「わらわは妖狐。昔は玉藻とよばれておった。呪いがとけたので今はここにひっそりとしておったのに、お前らが入ってきたのじゃ。」
「エキスでーす!!」
「オブです〜♡」
「…データです。」
「…ラボ…です。」
姉妹が自己紹介をした。
「ワシがアール所長だ!見よ大胸筋!」
アール所長がマッチョに変身した。
「なんじゃ、愉快なやつらじゃの。」
狐の尻尾が揺れている。
「呼び方は〜、たまちゃんですね〜♡」
「うん、たまちゃんで決まり!」
「おい、そこ。勝手に決めるでない!」
「…他になんの候補があるのでしょうか? 」
「…たまちゃん…かわいいですね…。」
「まあ、かわいいのなら、仕方あるまい。」
たまちゃんがちょっと嬉しそうになっていた。
データちゃんがずっと尻尾を見ている。
「…そのもふもふの尻尾に触りたいです。」
「なにを言っておる、わらわのトレードマークじゃぞ!」
「触られたって減るもんじゃないでしょ!?」
「そりゃ減りはせぬが・・・何じゃこの流れは!」
気づかれないようにオブちゃんがたまちゃんに近づいている。
ぎゅっ
オブちゃんがたまちゃんの尻尾をにぎった。
「わ〜、もふもふです〜♡」
「オブ姉、そのまま捕まえて!!」
「わらわは昆虫ではないのじゃ!」
「…私も触りたいです。」
「だからなんなのじゃ!また来ればよかろう!そのときにでもさわればいいじゃろう!起きたばかりなのじゃ。」
たまちゃんは尻尾を握られている。
「オブ姉、そのまま持ってて。ほらみんなで触ろう!」
「…いい考えです。」
「だからやめんか!なんじゃ、このオブとやら。すごい力ではないか。」
「うふふ〜♡」
「…たまちゃん…妹たちがごめんなさい……。」
「ラボさんも触りましょうよ〜♡」
「…ごめんなさい…ごめんなさい…。」
みんなでもふもふを触っている。
「あー、満足!」
「わらわはもう諦めたのじゃ。」
「…もふもふさん。もふもふさん。」
データちゃんは溶けそうな顔になっている。
「というかお主ら人間じゃないな。」
「この世界に人間はいないですよ〜。」
「…人間の土地は水没しました。」
「そうか、取り憑くやつもいなくなったか。さみしいのう。」
たまちゃんは天井を見上げている。
「なら、たまちゃん、たまに顔出すから遊ぼうよ!」
「どうせお主ら、もふもふするだけじゃろうて。」
「…みんなが失礼をしましたので……こんどは研究所に…招待します………。」
「なんじゃ、この眼鏡っ娘、意外とわかっておるではないか。わらわはここにおるのでいつでも来るとよい。」
たまちゃんが嬉しそうな顔をしている。
「…ではまたご連絡します…ね……。」
「じゃあね!たまちゃん!」
「たまさん、よろしくお願いしますね〜♡」
「…またね、もふもふさん。」
「そこのちっちゃいの。呼び方かえたじゃろ!たまちゃんだったのにもふもふさんにしたじゃろ!たった今変えたじゃろ!」
「…ちっちゃいとはなんですか。もふもふしているので、もふもふさんです。何が悪いのですか。」
「…ちょっと…データちゃん…。」
「いや、もふもふは否定できんが…なんじゃこの姉妹は!」
「…ごめんなさい…すみません…。」
「ラボ姉めっちゃ謝ってたね!もう少し触ればよかったのに!」
「…えっ、えっえっ…」
「…完全にお姉さんをやっていました。」
「はい、ラボお姉さんでした〜♡」
「承認済み。」
【ブオオオオーーーー】
「たまさん面白いですね〜。」
「…また来ましょう。あんなでしたが嫌な感じはありませんでした。」
「…データちゃんは…尻尾…触りたいん…ですよね…?」
「…うっ。」
データちゃんははにかんだ表情で斜め下を向いていた。